
オリゾンテに参加した最近の日本映画といえば青山真治監督の「サッドバケイション」(2007年)などがあるが、フィリピン映画としては昨年も同部門にラブ・ディアス監督の「メランコリア」が参加してグランプリを獲得している。ちなみにこの「メランコリア」は、大胆にも8時間に及ぶ超長編で、恥ずかしながら長すぎて私は一部しか見てないが、3人の若者の内省の物語。全編白黒、ゆっくりと静かに、詩的な映像が延々と続く。ペペの作品は1時間で快走するドキュメンタリータッチの作品だから、フィリピンフィルムメーカーの様々な実験的試みが、このベネチアでは評価されているようだ。
そしていよいよそのラブ・ディアスを含む3人のフィリピン人監督の作品が、今年の東京国際映画祭(10月17日~25日、六本木ヒルズなど)にエントリーされた。
同映画祭の「アジアの風」部門のプログラミング・ディレクターの石坂健治氏のマニラ来訪についてもこのブログで触れた通り。そしてその時の興奮混じりのお約束通り、今回一挙に3人のノミネートとなった。

さらに上述したフィリピン実験映画界の現在のトップランナーであるラブ・ディアスや河瀬直美など3人の監督によるオムニバス映画「デジタル三人三色2009:ある訪問」(2009年、全州国際映画祭が毎年製作しているアジア3監督によるオムニバス・シリーズの最新版)。
カンヌ(監督賞受賞)、ベネチア、東京以外にも、モントリオールに釜山に・・・、いまフィリピン映画は世界中から引っ張りだこだ。勢いの止まらないフィリピン映画の現在。東京国際映画祭をぜひお見逃しなく。日本にいる人がああ羨ましい。詳しくは同映画祭WEBサイトで。http://www.tiff-jp.net/ja/
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